
柔構造プレキャスト樋門
柔構造プレキャスト樋門は、工期の短縮、品質の向上、トータルコスト縮減など様々な可能性を持つ形式の樋門として期待されています。
樋門(ひもん)とは
河川から農業用水などの取水や堤内地(居住地や水田)の水を河川に排水することを目的とした施設のことで、堤防の中にコンクリート製の水路を通し、さらに逆流防止ゲートが付いた施設になります。
川の水位が洪水で高くなった時に堤防の堤内地(居住地や水田)に水が逆流しないように洪水対策としてゲートを設けています。
同じ機能をもつものに樋管(ひかん)がありますが、構造的に両者は区別がなく、一般に大きいもの(箱型)が樋門で、小さいもの(丸管)を樋管と呼びます。
水門との違いは、樋門は堤防の下にトンネルを通しますが、水門は堤防を分断し完全な開水路で通り抜ける構造である点が異なります。

プレキャスト樋門工法
プレキャストとは、コンクリート擁壁やU字側溝、集水桝などの工事で使用する製品をあらかじめ工場で製造し、現場で組み立てる工法のことです。 現場で打込みなどの作業が無いためスムーズに施工することができます。 また、製品の品質や精度のばらつきを防ぐことができます。
樋門の縦方向の計算に基づいてPC鋼材で縦方向を一体化するプレキャストボックスを製作し現場で施工することで、地盤変形に追随した可とう継手函体を設置することができる信頼性の高い工法です。
特徴
以下のような特徴があります。
・仮設工期の短縮により、コスト縮減が可能である。
・現場作業を大幅に省力化することができ、施工の効率化が図れる。
・工場製品であるため、構造物の品質向上が図れる。
・現場打ちボックスに比べて軽量であり、軟弱地盤では有利である。
・製品長1 m~2m程度を連結して樋門を構築するため、現場打ち樋門に比べて地盤変形に追随しやすく樋門の安定を図ることができる。
